ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

『ゆめパのじかん』『さとにきたらええやん』2本立てからのエンジン02in岐阜

高山市フリースクールを運営している「こどもの基地ねこのひげ」(一般社団法人もちもちびと)主催で、子供の居場所系ドキュメント映像上映会があったので、参加してきた。
2023年9月24日(日)、場所は高山市役所の地下市民ホール。

 

一つ目の『ゆめパのじかん』川崎市にある「子ども夢パーク」というところに密着した映像です。これはNHK72時間で見たので(またかよ)存在は知っていたのですが、そこでの活動をより深く見ることができた。
泥水の中に飛び込んでいく滑り台とか、木工を教えてくれる先生とか、併設したスリースペースとかがある。
内容のメインは子供たちが主体となって作り上げるバザー(こどもゆめ横丁)と、木工職人を目指す女の子に密着。

ゆめパのじかん

祭りは子供の発案で好きな店を出し(食べ物、手作り雑貨など)、実際に販売する。売り上げの中から10%を税金として納める。それが全体の運営費になるという、とても自主性が育てられるようなイベント。
何人かでグループを作って、屋台の骨ぐみから自分たちで柱を立てて屋根を張るとか、看板を書くとか、とても普通の学校では体験できないものばかり。これは面白そうだなあと思った。準備期間は2週間。間に合わずに断念するグループもいる。
バザーとかフリーマーケットって確実に商売の勉強になるよね。コミケやフリマに出た時のわくわくした感じ。これである。
値段の上限とかも、話し合いで決めるというのは、つまりあらゆるルール(自治)を子供たちが決めるということ。イギリスのサマーヒルスクールの思想を受け継いでいるのだと思った。

 

子供たちがインタビューで「学校って勉強のやる内容を決められるのが嫌だ」とか言っているけど、各教科まんべんなく網羅された小学校の教育内容はいいと思うけどね。あっという間に理解できる子にとっては退屈なのは分かるが。文句言ってるばっかりじゃ、ダメなんやで。決められたカリキュラムの中で興味を持てるのものを発見することも、自分次第なんやで。

『ゆめパのじかん』公式ホームページ

 


二本目は『さとにきたらええやん』

(HPより)

大阪市西成区釜ヶ崎。“日雇い労働者の街”と呼ばれてきたこの地で38年にわたり活動を続ける「こどもの里」。
“さと”と呼ばれるこの場所では0歳からおおむね20歳までの子どもを、障がいの有無や国籍の区別なく無料で受け入れています。地域の児童館として学校帰りに遊びに来る子や一時的に宿泊する子、様々な事情から親元を離れている子だけでなく、子どもの親たちも休息できる場として、それぞれの家庭の事情に寄り添いながら、貴重な地域の集い場として在り続けてきました。
本作では「こどもの里」を舞台に、時に悩み、立ち止まりながらも力強く成長していく子どもたちと、彼らを支える職員たちに密着。子どもたちの心の揺れ動きを見つめながら、子どもも大人も抱えている「しんどさ」と格闘する人々の切実な姿を描き出しました。

大阪市西成区にある、日雇い労働者らが集う国内最大規模の街。「あいりん地区」とも呼ばれ、労働者向けの簡易宿泊所(ドヤ)が軒を連ねている。
高度経済成長期にはたびたび労働者たちによる暴動(実際は差別に対する抗議行動)が発生する等、治安の悪いイメージがあった釜ヶ崎。長年、土木・建設現場に働き手を送り出してきたが、昨今では労働者の高齢化、不況による求人の激減、路上生活者や生活保護受給にまつわる問題など、さまざまな課題が山積みとなっている。しかし、地域に多数あるNPO団体や宗教団体による炊き出し等が頻繁に行われるなど、地域のネットワークが今現在も色濃く残る街でもある。

さとにきたらええやん

こちらは色んな意味でキョーレツだった。明らかに発達障害の子供、知的な障害もちらほら。言葉が上手く使えないから感情を身体で表現してしまう子供とか。DV夫から逃げて、今は母子家庭とか。明らかに親が生活保護受給者で、こどもの里が支援した子供の生活資金にまで手を出しているとか。ゴリゴリの関西弁でまくしたてる親とか。全キャラ総出演。
これが西成だなアと思った。キレイごとでは済まされないんやで。夜にちょっと出歩けば、そこら中にホームレスのオッサンがいる場所。夜回りして弁当配る活動なんかもしている。これはいい社会勉強になるなあと思った。

 

そんな中、高校を卒業する年齢になって就職を決めて、里を出ていく子。こうやって何人もの子供を見送ってきているのだろう。もちろんバッドエンドもあったのかもしれない。それでもやるしかないんや。
こういう活動に人生をかけている人を見ると、頭が上がらないですね。

 

最近、大阪を旅行するのが好きで、いつもこの辺に寝泊まりしているから、わりと見慣れた風景。とても親近感。この辺をよく歩いているから、もしかして見たことあるのかなあとか思ったり。今度機会があれば、ぜひ見学してみたい気持ちもある。

 

というわけで、思い入れ補正とかもあって、僕は「さとにきたらええやん」の方が面白かったかな。いずれにしても、見て損はない二本立てでした。これは日本全国で、もっと上映会が開かれるべきだと思う。

映画『さとにきたらええやん』公式サイト


さて、この後には飛騨文化センターというところに移動して、エンジン02in岐阜というイベントを見に行く。
去年から始まった、岐阜県に著名人を呼んで講演してもらおうという企画。今年は何を血迷ったか、高山市での開催なのだ。ゲストは豪華で、落合陽一、和田秀樹羽生善治林真理子茂木健一郎挟土秀平日比野克彦和田秀樹、辰巳拓郎、勝間和代といったそうそうたる面々。

ただ今回の会場というのが厄介で、メインのステージとなるミニシアターが、キャパ100。
バカかと。アホかと。ふざけるなど。いくら何でも消極的すぎじゃないですか?

 

登壇者が何人かずつで、この日は昼から3公演あったのですが、チケット発売から1週間くらい経ってから買いに行ったらとっくに完売続出してて、最後の公演のみget出来た。本当だったら3公演まわしで張り付きする予定だったのに。

そんなわけで「ふざけるな」という気持ちで次の公演のために会場の外の廊下をウロウロしてたら、前の講義で登壇していた羽生善治氏とかが普通に歩いて移動していった。このときサイン色紙でも持って突撃すればよかったなと後悔。


14:45~16:00
一般講座 3時限
新時代のコミュニケーションってナンヤローネ?
講師:落合陽一・辰巳拓郎・原島博和田秀樹

終わってみれば、登壇者それぞれにコミュニケーションについて思う所を話していて(奥さんとのコミュニケーションが一番難しいとか、ワインを飲むのが最高のコミュニケーションだとか、他者とのコミュニケーションはできないのが前提だとか、養老孟子先生のバカの壁の話とか、言葉は通じないとか伝わらないとか)、あとは落合陽一さんがステージ上でPC画面で日本語→英語の同時翻訳を表示して見せて(おお~っ)ってなったり、相変わらず超スピードで話していたなあというくらいしか感想がない。


行動心理学や社会学の本を読むか、もしくはYouTubeで動画でも見ている方がまだ学びがあったかもしれない時間だった。こりゃあ1公演しかチケット取れなくて正解だったかも??

 

そのままクロージングに突入で、全登壇者が一堂に会するこれもキャパが100しかないミニシアターに横並びで立たされる。登壇者が(何でこんなところに立たされているんやろ)って顔してた。。。羽生さんはいなかった。
高山市長が出張ってきて挨拶してて、流暢にしゃべるんやなアってそこは感心した。

センター最前列から

何か有名人が集まるっていうんでミーハー気分で突撃したけど、そうじゃない感しかなかった。いまは岡田斗司夫ゼミとか、ゲンロンカフェ(シラス)のお気に入り&長丁場のトークしか聞いていられない。あるいはきちんと本を読む。
時代、なのかもしれんね・・・