ちろうのレイブル日記

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【乗鞍畳平】乗鞍スカイラインを歩く【ちろう散策】

乗鞍スカイラインとは何か。そこから説明しなければならない。

中部山岳国立公園乗鞍岳は最高峰剣ヶ峰(3026m)を筆頭に23の峰々と8つの平原で形成され、四季を通じてさまざまな美しい景観を見る場所。そこにアクセスできる日本一高いところにあるバスターミナルが「乗鞍畳平」。ちょうど岐阜県と長野県の県境に位置し(正確には岐阜県高山市)、岐阜県側・長野県側のそれぞれからアクセスできるのですが、岐阜県側が「乗鞍スカイライン」。ちな長野県側の道を「乗鞍エコーライン」といいます。

 

乗鞍スカイラインの前身は「軍事目的」とのこと。陸軍航空本部が航空エンジンの高地実験施設を建設するために「軍用道路」として作られました。戦後は登山バスの運行道路として一般開放(有料道路)されていましたが、やはり大混雑を招いていて、30年間の有料徴収の契約後は一般車の乗り入れを禁止し、現在は長野県側と岐阜県側から有料のバスが出ている。

 

標高が2702mもあり、マイカー規制があるものの、平湯バスターミナルから30分ほどで行けてしまう。そこからたったの1時間ほどで3000m級の山に登頂できる日本でも随一の場所。360°どの方向に行っても10分や15分そこらでいろんな山頂に到達できる最高な場所です。

畳平からの眺望

しかし今日のツアーの内容は登山(トレッキング)ではない。去年の秋ごろに、乗鞍スカイラインが雨で崩落。いまだ開通の見込みは立っていない。そこで、長野県側から畳平に登り、このスカイラインを歩いて下るというアクティビティです。なんと力強い・・


畳平発、崩落個所の手前のとある駐車場が目的地。参加者は予想の通り、9割が60代~70代といったところ。1か所が完全に通行止めになっているので車が一切通らない。これをプラスに転じて、歩こうじゃないかというツアー。高齢者にも優しい永遠につづく下り。とはいえ歩く距離が畳平から10キロほどになるので、申込時に本当に大丈夫かと念を押された。

 

2023年9月10日(日)

7:30
高山駅西口からバスに乗車。乗鞍岳をだいぶんと遠回りをして、長野側から畳平へ向かう。

今回バスで通ったルート、タヒぬほど遠回り

10:25
着。最高のロケーション。ここが高山市に位置しているのだと知る。25分だけ時間が与えられたので乗鞍本宮をのぞいて絵馬を買ったり、お土産を1000円ぶん(有効期限がこの時限りの商品券)を買う。クリアファイルとか菓子とかを求める。

乗鞍本宮という神社もある

10:50
たった一人のガイドを受けながらスタート。乗鞍スカイラインをひたすら歩く。2700mまで登ると下界と植生が違う。岩と土と小石と短い草と短い木(ハイマツ:這松)しか生えていない。これが高山の風景か~と感動しつつ歩く。

 

スタートして1時間ほど。すんごい所でメシ。道路の端に腰かけて、持ってきたパンやおにぎりなどを食う。足りないのでさっき買った菓子(ハッピーターン安曇野ワサビ味)等を食う。景色は申し分なし。

すんごいところでメシ

こんなところを歩くのですが

こんなところを歩く

ウキウキ気分だったのは出発から1時間ほどのメシを食うところまで。ここから先は、植生が変わって深い森の中をひたすらくねくねする車道を歩く。途中から深い霧に覆われて特に景色も見えない。これが長かった。心肺機能よりなにより、足がキツイ。ずっとほんのりブレーキをかけている状態。膝に爆弾を抱えているんだから勘弁してくれって。ガイドに説明されることも特になく(木の名前くらい)、集団も縦に長くなって一人旅。ときおり走りながら、ストレッチしながら、後ろ歩きしながら。


30人ほどの集団の前後を車で挟み、さらにその後ろにはバスがゆっくりついてくる。目的地の駐車場から畳平まではバスで移動なのだ。高齢者が多いのもあって、万が一途中リタイアも可能。バスツアーだからそらなー。とはいえさすがにここでリタイアはプライドが許さない。なんとか完歩。

 

ゴール地点に皆が到着したらバスに乗車。畳平に戻る。
乗鞍エコーラインはスカイラインに比べてすごく狭い。道路に中央線が引いていない。バスのすれ違いが大変なので、アルピコ交通という長野側からのバス会社のバスにくっついて走る。その定期便に合わせるので、出発時間が決められている。
畳平につくのが15:04。
15:05に出発しますと言われる。買い物・散策の時間は無し。まあしょうがない。

 

バスでは隣の席に座ったおっさんといろいろしゃべってしまう。推定60代後半。
60を超えてから老人会に入った。自分が一番若いからいろいろ動いている。サッカー、ゲートボール、etc。週末にあちこちの山。これまでの仕事歴。
僕が「2週間前から登山にハマっています」とか言ったら、「40で山に目覚めるのは若くていいね」と言われる。まったくその発想はなかった。
日本海から太平洋まで、日本アルプスを横断するレースがある(トランスジャパンアルプスレース)と聞く。面白い。最近アドベンチャーレースのこととか調べるのにハマっているから。なぜ人間は限界に挑戦してしまうのか。ドキュメントDVDがあるらしいから見たくなった。

 

そんなわけでヘンなツアーだった。参加費は3500円で、1000円のおみやげ券、クマよけのベルももらえて破格。まず畳平が何なのか知らずに参加したんだけど、環境はとても良くて、ここに1泊くらいしていろいろ動き回りたいと思った。自転車で登る猛者たちも結構いた。

車道を歩くことは単調でつまらなかったが、そもそもスカイラインが崩落しているという今だからこそのアクティビティ。主催会社もこの企画の許可取るのに苦労したらしく、今後二度とないだろう。その意味でレアな体験ができたということにしておこう。
畳平は最高だから、また来たいと思った。とにかく乗鞍スカイラインが開通してからだ。長野側から遠回りなんてやってられない。

高山市に長く住んでいたけど、こんな素敵な場所があったとはなア。また色んなバスツアー、参加するぜ!