ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

高山市の某公立小学校で働いています

4月1日から、高山市内の某小学校で、午前中だけ働いています。対外的な役職名は「学習指導員」ということですが、昨今のGIGAスクール構想に合わせてのタブレットiPad)の使い方をサポートするというのが主な仕事です。岐阜県においては去年の段階で、すべての公立小中学校・高校で生徒一人一人にタブレットを支給が完了していて、特に去年からのコロナ対応もあって早急にこれの活用を進めなければいけないということで、とりあえず今年度限定で予算が割かれて人員が確保されたようです。市のホームページや、ハローワークなんかでも募集がかかっていました。「会計年度任用職員」という名前の、要するにバイトですわ。一日3時間だけという短時間ですが、時給としてはコンビニバイトよりちょっといいくらい。

さて、教育現場の方なら皆さんご承知の通り、「ICT教育を推進せよ」という号令が上からかかってくるものの、具体的な方法は特に示されず、現場の先生たちが一番困っているという現状があります。一体何をすればよいのか、どこにゴールを設定すればよいのか。あたらしい試みをどこまで許容するのか。まあこういうのは道徳が教科化されたり小学校の先生が英語を教えなければいけなくなったりと、散々見慣れた光景ではありますが。

ところで僕みたいなITとかプログラミングとかSEとかそんな業界と無縁な人間が、タブレットiPad)の使い方のサポートってできるんか?という話ですが、本当にそれは僕自身が不思議に思っているところです。しかし結論から言いますと、まあ大丈夫なかんじです。というか同じ役職で採用されている人が10人弱ほどいて、一度だけ顔合わせがあったのですが、(あまり大きな声では言えないですが)僕とかかなりまともな方だなと言わざるを得ませんでした。僕とか長年iPhoneユーザーだっただけですが(つい最近アンドロイドに変えた汗)、それでもiPadならだいたい操作感は一緒なので感覚的には分かりますからね。しかしある程度若くてまともな人間が、平日午前だけのバイトなんて普通は来ませんよね。そうすると定年退職したオジサンや、子育て引退世代の・・これ以上は自主規制します。察してください。



さて、実際に現場に行ってみると、これも当然という感じですが、タブレットの使用頻度・深さが先生によって大きく差が出ていて面白いです。僕は「この日のこの時間にお呼びがかかったら教室に派遣される」みたいな感じなんですが、「初めてiPad(アプリ)を導入するから来てほしい」と熱心に言ってくる先生もいれば、僕のことなんか目もくれずに勝手にiPadを使いこなしている先生もいます。トータルで言うと他の小中学校と比べると、ウチはまだ活用している方かな。今年度始まって1か月の段階で誰も使ってないという学校もありましたから。

用途としては、音楽の授業でYouTube動画をみんなで見る、春の植物を写真で撮ってくる、インターネットで検索する、動画を撮って太鼓の練習する、デジタル教科書を見る、といった感じでしょうか。んでダウンロードできるアプリというのがあらかじめ制限されていて、その中に「九九の計算」とか「漢字のドリル」とか「日本地図のパズル」とかあって、まあこういうのはわりと楽しいですね。先生によってはそういうアプリのダウンロードの仕方とかを教えています。んで教室でやらせると、先生よりも圧倒的に小学生の方がさっさっと使いこなしていて面白いです。メモアプリの手書きとか。ペンの色を変えて絵を描いたり、図形をいろいろいじったり。

困ったのが、教室のWi-Fiが貧弱なこと。というか学校全体、というか高山市全体の問題なのかもしれない。サイズの大きめなアプリ(Garage Band)をクラスで一斉にダウンロードしたら、てきめんに半分の児童のタブレットWi-Fiが切断されましたし。一回はどのクラスでもiPadを使っていないのに、学校中でWi-Fiが死にました。これは早急に改善していただきたいところ。

今は特定の授業中だけの使用で(教室隅の棚への出し入れにめっちゃ時間かかる汗)、家庭への持ち帰りもできないのですが、夏休みなどの長期休暇などではどうなんですかね。ぜひ持ち帰って自宅で活用できるようにしていただきたいなと個人的には思っています。

 

 

さて、今後のタブレット活用の柱になりそうなのが「メタモジ」というアプリです。これは全国の中でも先駆けて岐阜県は全ての公立学校で導入しているようです。ノートやテキスト、画像やpdfをクラス全体で共有したり、先生からは全員のノートが見れたり、動画や音声まで組み込めたりと、かなり色々な機能があるようです。これを色んな教室でちょっとずつ導入していっているところで、僕自身も今回初めて触ってみているので、必死に勉強しているところです。どうもうまい活用の方法が分からない。

たとえば良い感じの問題のプリントがあったときに、クラスのフォルダにpdfを入れるだけで生徒全員に紙を印刷して配る手間が省けたりします。ネットから拾ってくるのも割と簡単にできる。そこにペンシルで書き込んで、先生は丸付けをする、とか。かなり画期的なものであることは間違いなさそうです。これをうまいこと活用するルートを何とか見つけたいなあと考えています。

 

 

iPadを授業で使うクラスからの要請がないと、手ごろなクラスに行って特定の(普通学級ではちょっと心配な)子どもをウォッチしたりします。それで久しぶりに小学校の算数の授業とかを体験しているのですが、よく言われるような落ちこぼれ・浮きこぼれ問題を目の当たりにしますね。ちょっと一つの問題の説明に時間かけすぎじゃねえか?と思うことがあります。まあこれが小学校ってものなのでしょうが。

9歳だか10歳で数検1級に受かったみたいなスーパー小学生がいましたけど、そういう子が公立小学校の算数の授業とか聞いてたらどうなるんだろう?とか想像するとちょっと笑っちゃいます。

なんかかつて同人誌に、さんざん公立学校の悪口を書いてしまった記憶があるのですが、根本のところでは学校の先生というものをリスペクトしています。僕が働いている学校の先生もみんな良い人ばっかりです。みんな一生懸命やっています。

そうそう、午前の休み時間(サンタイム)に校庭で走り回っている児童とかを見ていると、本当に7年前(!?)に東京の某小学校でやっていた学童保育は何だったんだろうと思います。ずいぶん子育て引退世代のオバチャンに迫害されましたし、ジャングルジムやらサッカーゴールやらでケガをさせないように監視することが義務付けられていました。今考えてもこの世の地獄でした。東京だからなのか、外部組織だったからなのか、時代なのかはよく分かりません。ここはそうじゃない。本当に健全だなあと思います。

まあそんな感じでぼちぼちやっています。また何かあれば近況報告します。