ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

小学校勤務の近況報告

4月からやっている某公立小学校での学習指導員のお仕事ですが、いろいろと安定してきています。


やはりタブレット活用の柱はmetamoji(メタモジ)です。
基本的に3年生以上のクラスに関しては、先生が圧倒的に使いこなすので僕の出番はありません。


前回、「どうもうまい活用の方法が分からない」というお話をしましたが、なんだかんだ言ってめちゃめちゃ色んなことに使っています。たいてい調べ学習とか、まとめ学習とか、プレゼンとか、算数で図をいじるような作業とか、英語のコミュニケーション練習なんかの時にめちゃめちゃ使っています。
3年生以上ですと、プレゼンづくりでKeyNoteを使っているようです。


基本的に低学年の教室で「生活」の授業でタブレットを使う時に呼ばれているくらいで、その他には学習支援員の方々と同じで1~3年生の算数のサポート、たまに図工やら校外学習やらのサポートに行きますが、それ以外にはわりと何もないコマがあります。そうするとヒマを持て余してしまうので、主に低学年の教室前をうろうろしています。

だから、「タブレットの調子が悪いんですけど」というふうに話しかけられたり呼び出されたりすると嬉しい。

 

●処理した例

iPad関係
「(ハードウェア)キーボードが効かない」・・・これはわりと良くありますね。理由もよく分からない。iPadの調子が悪いとしか。Bluetoothを切って入れる、電源を落として入れる、などをすると直ります。


「画面固定されてうごかない」・・これもよく分からん。コンロトールセンターを開いて画面固定を入れる切るをやると直ることがあります。iPadを再起動すれば直ります。

 

wifiの電波を拾わない」・・さすがにそれは知らん。気長に待ってくださいとしか。wifi入れてください。まあ「機内モード」になってたパターンもあるけど。


safariが開けない」・・夏休み以降、iフィルターが導入されてから。なぜか入っているはずのフィルターが中途半端な状態になっているやつ。「iフィルター」のアプリを開いて「適用」ってやると直る。一時的に速度が遅いだけとか。あとiPadの電源を再起動したら直ったことも。


「画面真っ黒、何も出てこない、音声だけ出てくる謎現象」・・・これは一番ヤバかった。何も映らない、再起動してもダメ。ただしなぜかホームボタンや電源ボタン、見えないが存在するであろうボタンは効いている様子。本体を傾けると謎に「たて」とか「よこ」とか読み上げる。。。暗黒の世界からの断末魔の叫び。怖すぎる。さすがに修理案件かと思った。

んで調べた結果「VoiceOver」という機能だということが判明した。視覚障害者用、もしくは運転中に声だけで操作できる。項目をタップすると読み上げる、もう一回押すと効く、みたいなルール(だから画面真っ黒)。解除方法(画面を映す)は真っ黒画面に対して「指3本で3回タップ」。知らんがな。この機能を解除した時はさすがにキモチ良かったなあ。ちょっとしたクエストクリアした感じだったもん。
自分のスマホで「iPad 画面が真っ黒 音だけ」とかいろいろ調べた(笑)

 

というかそんなわけ分からん機能を知らずに起動させる子供が理解不能。どんな使い方したらそうなるんだよ。たぶんショートカットを全部設定して、結果それを起動させてしまったと思う。家にタブレット持ち帰って色々いじっていたら画面が真っ黒になって使えなくなった児童のことを考えるとちょっと笑えるけど。罰が当たったんやな。

 

■電子黒板&Wi-Fi関係

最初の設定として教室の壁の上に貼ってある白い箱から、各教室にある電子黒板にHDMIをつなぐ必要がある。そうすると画面ミラーリング画面が起動して、iPadの画面を電子黒板に飛ばせる。
んで新学期の時点でHDMIケーブルが繋いでない。僕も何の説明も受けてないから画面ミラーリングの仕方が分からない。白い箱の上部にケーブル差し込み口があるなんて知らん。

 

んで他の教室覗いてて、画面ミラーリングしている3年の担任の先生に聞いて「あ~そうやってやるんですね」って感じで。なんで研修でこんな大事なこと教えないんだろうって不思議な気持ちになった。僕の能動的な学びに期待しているのだろうか。僕なんかまだまともな方で、ですから同じ役職には定年後のおじいちゃん先生と子育て引退世代のオバチャンがほとんどだとあれほど(以下略)。
何が言いたいかというと、これが公務員なのかもなと思った。これでいい。これがいい。良いのよこれで。聞けばいい。聞けばわかるのだから。研修なんかいらん。これがオンザジョブトレーニング。

んで1,2年生のクラスのケーブルは僕が全部つないだ。絶対これやっとかないと後で困るやろなと思って。あとでタブレット使う授業サポートするの僕だもん。4年生も1クラスやったかな。

 

んで画面ミラーリングモードが開かないという現象。HDMIケーブルがぶっ壊れている例もあった。黒板動かすときに力加わるしね。白い箱に指し直すと復帰するケースもあった。そういや夏休みの間に何かがアップデートされてて、再接続する必要があった。いったん抜いて指すだけだが。
んで各教室にあるはずのドデカHDMIケーブルが無いという現象もあった。隣の空き教室から拾ってきたり、電子黒板の登場で使われなくなったテレビにくっついていたケーブルを引っこ抜いてきた例もあった。

 

夏休み中に、iPadになにがしかのフィルターがかけられ、それ以前には見れていたYouTubeが見れなくなった。ブロックされるのは動画配信サイト、ショッピング全般、SNS全般、ブログ、その他理由不明、などがアクセスできなくなった。個人的には「アルゴロジック」というプログラミングゲームにアクセスできなくなったのが悲しい。これがあれば低学年の授業2時間はいけたのに。

 

■マニュアルを作った

①年度始めのころに、ざっくりとiPadの使い方説明マニュアルを作った。「safari=インターネットブラウザ」とか「AirDrop=データを無線で飛ばせる」とか「iPadの再起動の仕方」とか書いた。

 

②metamojiの扱い方マニュアルを作った。公式のマニュアルから、実際に授業中に使えることや困るかもしれないところを抽出。我ながら良いマニュアルができた。これも全教員に配布されたが、見てない人は見てない(泣)

 

③6年生が理科で使う「マイクロビット」の使い方マニュアルを作った。イギリスのBBCが作った子供向けプログラミング学習としては有名なキット。これもまったく触ったことがなかったものですが、調べながらいじっていたらとても楽しいものだった。ごく小さな本体に25個のLEDと、「温度センサー」「磁気センサー」「明るさセンサー」「加速度センサー」が付いている。「温度が●以下になったら明かりをつける」とか「明度が●以下になったら音が鳴る」とか何でもプログラムが作れる。ランダムな変数を設定してサイコロを作るとか、じゃんけんをするとか。簡単なゲームを作ることも出来るらしいが、プログラムが膨大になるので断念。

んで去年まではPCでプログラムしてそれをUSBで繋いで送って使っていたそうですが、これがiPad上のアプリの中で作って、Bluetoothで飛ばせるという。これは画期的。んで全端末に最初から「micro:bit」のアプリが入っている。GIGAスクールの進化すげえや。


■雑感
意外なのはカメラとシンプルインターネット(safari)をほとんど使っていないということ。「今どきの若者はググらない、調べたいことはYouTubeInstagramTikTok、メルカリで検索する」と言われて久しいですが、本当にそうで、たぶん検索の仕方も分かっていない。そもそもキーボードで打ち込むのが苦手。ヤツらフリック入力しかできねえから。「しゃ」とか「ディ」とかの打ち方が分からない。んで福祉の単元の授業で、検索窓に「どうしてパラスポーツを始めようと思ったかの理由」とか打ち込んでる。そうじゃねえだろ。


あと写真やらテキストを拾ってくると「出典が必要だよ」という指導が入るが、「パラスポーツの競技が22競技、539種目」みたいな情報を調べて「出典のサイトが分からない(忘れた)」とか言っていたから「事実に著作権は無いよ」と教えてあげた。

 

んで今さらカメラで撮って遊ぶ理由なんかないんだろう。何も珍しくないから。snow(?)みたいにおもしろ加工もできないし。そういえば僕が初めて携帯電話を買ったのは高校2年で、当時のJ-PHONEの初めてカメラが付いた携帯を買ったなあ。僕しか持ってなかったし、写真を撮るのがめちゃめちゃ楽しかった。画質が荒かった。

 

■実際やっていること

まあそんなわけで、なんだかんだ言っていろいろやることがあって充実している仕事です。
1~3年生の、特に算数の授業にサポートで入ることが多いが、ここまでできないもんかと愕然とする。日本語が通じていないのだ。そしてもちろん個々人で力量が違う。支援学級に入るかどうかという境界線上の子もいるわけで、それも別に親がムリヤリ通常級に入れているとかじゃないと思う。本当に境界線上なのだ。たまたまそうなった。先生の指示が聞けない、書けない、解けない。

 

授業ごとに「かだい」、「まとめ」を書き、それぞれ赤字・青字で囲う。これが書けない。書き始められない。読めない。写せない、途中でほっぽり出す、漢字がかけない。誤字脱字。2文以上続くと理解できない。2段階の計算ができない。これが公教育なんだと思い知らされる。

 

3年生の他のクラスに行ったら、「50本を花を8人で分ける、一人何本もらえて何本あまりますか」という問題で「50×8=」で手が止まっている。いゃおかしいやん。色々おかしいやん。手が止まるのもおかしいし、なんでかけ算した?理由を問い詰めたい。掛け算順序問題もビックリやで。異次元なんやで。

 

■低学年の「せいかつ」の授業でタブレットの授業

週に1回程度のペースで1年生の教室でタブレット授業をやっている。やっているって、カリキュラムも何もないし、ほとんど丸投げされているので、結局ぼくがなんかいろいろ考えてる。これまでやったのはメモアプリでお絵かきとか、カメラの使い方練習とか、メタモジでプリント学習とか、自己紹介プレゼン制作と発表とか、ScratchJr使い方説明してアニメーション作らせるとかそんな感じ。そろそろネタ切れ。どうしよう。

 

まあそんなふうな日常を送っています。この仕事も3月末まで。はてさて、どうなることやら。