ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

陰山英男先生の講演を聞いてきた

2017年6月4日(日)に、大崎ニューシティで陰山英男先生のトークイベントがあったので聴きに行った。こちらは、先日出版された「10才までに学びたい マンガ×くり返しでスイスイ覚えられる1200の言葉」の発売記念トークイベント。

陰山英男先生は、100マス計算を世に広めたことや、陰山メソッドの実践の他、大阪府教育委員会なども歴任された方。僕が「本当によい教育を実現するための覚書」を書いている時に出会った、「本当の学力をつける本」という本の著者でもあります。

上記「本当の学力をつける本」は教育現場、特に小中学生と向き合う教育者には必読書とも言えるような本ではないでしょうか。影山先生は「早寝早起き朝ごはん」、「読み書きそろばん(計算)」を徹底的に重視する人です。僕もこれには大賛成です。僕はこの本の影響もあって、今では徹底的に基礎基本を重視するべきだという考えを持っています。なぜなら迅速な計算処理は、パソコンのCPUをバージョンアップさせるかの如くに、脳みその回転率を上げることになると思うからです。その先にいろんな知識を詰め込んで行けばいい。仕事ができる人というのは即断即決だと言われますが、元を辿ればこの訓練が生きてくるのではないでしょうか。あらかじめ処理速度を上げておくことによって、その後の効率が圧倒的に変わってきます。そして気付いた時には、持っている語彙量・知識量が天と地ほども違ってきます。

今回初めて、影山先生の講演を生で聴きましたが、とても話が上手い人だなという印象を受けました。まず最近見かけることですが、小中学生の学力を世界と比べると、現在の日本は世界一の水準にあるようですね。しかしネガティブな指標もある。それが大学のランキングの低下です。日本のトップである東京大学も、世界の中ではアジアの他の大学にもどんどん追い抜かれている。これに歯止めをかけるにはどうするか。

採用の現場では、特に海外の優秀な学生をたくさん採用するような企業では、大学で徹底的に鍛えられた海外の学生と日本の学生では尋常じゃないくらい差があるという話もよく聞きます。やはり幼少期から意識を高くし、興味を深めてモチベーションを自発的に湧き出せるように仕向けるしかないのではないか。むろん、グレたり道を外したりしないようにね。そのためには親の愛情と社会の大人たちのサポートが不可欠です。

小中学校の学習内容はゆとり教育が議論されていた時と比べると、小学校で36%中学校で33%も増えているとのこと。揺り戻しですね。これはこれでいい。簡単すぎて足踏みするくらいなら、ちょっと背伸びをするくらいでいい。できない人に合わせる方がよほど損失だ。現に、学校の授業なんか一切無視して中学入試に飛び込む人だってたくさんいるくらいだから。それはそれでどうかと思うけど。

あと「勉強時間は長い方が良いとは言えない」と言っていて、まさにその通りだなと思いました。長い時間勉強したなんてクソくらえ。どれだけ集中したかが大事でしょう。これサラリーマンの世界ではよく言われることですよね。周りが帰らないから自分も帰れないので残業をする、やることないがサボっていると思われるのはマズイのでゆっくり仕事をする、みたいな。これ小学生でも実際にあるマインドです。陰山先生曰く、「サッと宿題を片付けたら、大人に「そんなに早くできるのならもっとやれ」と言われてしまう。そして子どもは、勉強をゆっくりやる癖をつける」。これ悪循環です。

時間をかけたことなんか何の価値もない。正直、中学レベル(特に数学)なんて、普通に集中してやったら驚く程早くできるものなんですけどね。これ、個別指導塾やってると本当に驚きますよ。何かと理由つけてダラダラやる奴と、ハイスピードで解き進めるヤツ、スピードが20倍くらい違う(体感)。同じ人間とは思えません。

結局、どれだけ没頭できるかってことなんですよね。僕は数学の連立方程式とか解くの、ゲームみたいで楽しかった記憶があります(今でもわりと楽しいです)。

本を読むにしても、算数に親しむにしても、歴史や科学に親しむのも、言葉を知っているかどうかも、幼少期の環境と親の関わり方だと思います。こういう学びの機会が得られないまま中学生とかになっている人、歴然とした差になって現れています。これをいかに準備するか。

「マンガ×繰り返しでスイスイ覚えられる1200の言葉」はマンガとドリルを利用して、1200もの語彙を勉強できる本になっています。これは良いですね。この本で僕自身も勉強して、読み終わったら甥と姪にプレゼントしたいと思います!


10才までに学びたい マンガ×くり返しでスイスイ覚えられる 1200の言葉

10才までに学びたい マンガ×くり返しでスイスイ覚えられる 1200の言葉