ちろうのレイブル日記

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「AKB48白熱論争」を読んだ

小林よしのり中森明夫宇野常寛濱野智史の「AKB48白熱論争」(幻冬舎新書)を読んだ。

AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)

AKB48白熱論争 (幻冬舎新書)

ついにキタと思った。AKB48について語っている本で、メンバーのインタビューだとかフォトブックだとかを除けば、上手く表現できないんですが現時点で他の追随を許さないダントツの内容の本であることを確信した。しかも秋元康氏本人がぐぐたすで絶賛しててそれに拍車をかける。

秋元康

業務連絡。

全スタッフへ。

AKB48白熱論争」(幻冬舎新書)を読みなさい。
めちゃくちゃ面白いぞ。

AKB48白熱論争」は、
小林よしのり中森明夫宇野常寛濱野智史の4人の論客がAKB48について、文字通り熱く語ってくれているのだが、
プロデューサー秋元康の“無意識”を、
精神科医に分析して貰っている面白さがある。
「なるほど!」と思う部分も沢山あるし、
「いやいや、そこまでは考えていなかった」というのもある。
僕は一切、関わっていないので、一読者として楽しめたし、
多くのヒントを貰えた。

中森明夫は、2005年の12月7日、つまり、AKB劇場オープンの前日
の関係者“お披露目”に来て貰ったんだよね。

そう言えば、先日、あるカフェで中森明夫が雑誌の取材を受けていて、秋元康について語っていたらしい。
僕の知り合いがすぐ後ろの席で興味深く聞いていたそうだ。
見事な秋元康論に感動していたが、その中で事実誤認があったようなので訂正しておく。

僕はチェキッ娘には一切、関わっていない。
一曲も詞を書いていないんだよ。

そんなことはどうでもいいか。
とにかく、スタッフは「AKB48白熱論争」を読んで感想文を書くように!
2学期が始まる前に提出しなさい。


ぼくは普通に宇野常寛さんのファンだったのだが、彼がニコ生でポップカルチャーを語っているのを見ていてぼくは小説とか映画とかアニメとかマンガとか全く詳しくないのだが、「すげーなー」をか思わされたり、時にはものすごく興味をひかれて「その作品に触れてみたい」とか思わされたりとかしていた。そんな彼がAKB48にハマっていると聞いて初めは半信半疑だったのだが徐々に「マジ」であることが分かってきた。

とくにゼロ年代の想像力(文庫版)の巻末特別インタビューの一文が良い。

これは、この場を借りてはっきりと宣言しておきたいことです。「ゼロ年代の想像力」の最大の欠点はAKB48を扱っていないことです。いや、宇野常寛という評論家の最大の過ちは、2010年までAKB48のすごさに気付かなかったことです。

こういう表現こそ宇野さんの真骨頂だと思うが、はっきり言ってこういう人が現れるのを待っていた。南キャンの山ちゃんとかじゃなくてさあ。いかにもなサブカル評論家とかじゃなくてさあ。初めてAKB48ポップカルチャーとして取り上げ、語れる人。一言で言うと頭が良い人。

ぼくは2006年からAKB48を見ていた(特に見ていたのが2006〜2008年)から、世間的にはじゅうぶんに古参と言えると思う。こういうことを言うと「古参自慢か」と特に何故か良く知っている古参の人に言われるのが一番腹が立つのだが笑(ぼくは近しい人には良く言っていると思うが、古参ヲタクの古参自慢とか、足の引っ張り合いとか、新規客を見下す感じとか、本当に辟易している。そういう人に限って「今さらAKB?」とか「一番楽しい時期はとっくに終わったのに」とか言うしね)、まあそれはさておき、この「AKB48白熱討論」を読むと、そんな初期のAKB48の現場というある意味貴重で、今では体験できないあの頃を知っているというのに、ぼくたちは何も記録せず、何も語ってこなかったという事実に、ぼくたちは何をやってたんだという思いに駆られます。ぼくたちは評論家じゃないんだから当たり前だと言ってしまえばそれまでですが。そして宇野さんのような人たちが2005年〜2009年くらいのAKBを見てこなかったこともまた必然でしょう。こういう人はメジャーなカルチャーを語らなければいけないのだから。まさにAKB48がメジャーになった証だと思う。

本当に過去のAKBを記録してきたものってオフィシャルで出された本(48現象とか)やメモリストさんだけだと思う。もちろん各ウェブページやウィキペディアなんかにも膨大な記録が残されているわけですが。しかしそれらもあくまで記録と言う話。時代はAKB48一色になり、だからこそというべきなのか、ついにというべきなのか、単に記録と言うだけでなくそこからさらに一歩進んだこういう評論本がこの4人によって出版されたことは素晴らしい。

ただメディアに出始める前のAKB48と、今のAKB48が全く別物みたいであるということもまた事実なんだよねえ。この辺は確かに難しい問題だと思う。


絶対的な支持を受けるにはアンチの存在が必要で、大島優子にはアンチを生み出す才能がないという中森氏の指摘や、よしりんがAKBやHKTの未来の為に無理やりに「指原アンチ」になろうとするとことか、濱野さんの「AKBが世の中の非モテ童貞を救って、新しい世界宗教になる」という指摘とか最高だは。この4人の中でも「保守」と「革新」が対立しててめちゃくちゃ面白い!

でも皆に共通する感情が「AKBが面白すぎてヤバい」ということなんだよね。ぼくは5〜6年前にAKBがすごく好きで、2〜3年前はほとんど興味を失ってて、しかしこの2年くらいはこの人たちのおかげでより一層AKBが面白いなと思い始めている。とくに選抜総選挙がやっぱりヤバい。選挙に関する映像とか文章とか、涙なしには見れなくなってきてる。ホント選挙とか初期の頃は「残酷なことするよなあ」ぐらいにしか思ってなかったんだけどね。もちろん選挙だけじゃなくて、あらゆる出来事に物語が付加されて大変なことになっている。といってもSKEやNMBやHKTの新しいメンバーを積極的に覚えると言うところまでは出来ていないんだけどね。

とにかくこの本、おススメです。今度サインもらいに行こう!