ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

公開講座「情報発信特講/指原莉乃論〜さしこ力とは何か」に行ってきた

大分県立芸術文化短期大学大分駅から徒歩20分ほど、山沿いの国道から少し山の方向へ上ったところにあった。周りを自然に囲まれたこぢんまりとした学校だった。早めに大学についたのでまだ学生はほとんど来ておらず、図書館等を物色して時間を潰した。いよいよ時間が近づいて、本当にこんなところに100人以上もの学生が詰めかけるのだろうかと少し不安な気持ちで会場である人文学部棟に入ってみると、結構な数の学生が既に集まっており(女子多め)、「さしこ力って何?」「さしこ来るの?」という声がそこかしこから聞こえてきた。

会場の様子
そんなに広くない教室だったが、ほとんど埋まっていた。あと地元の新聞社等が取材に来ている模様。


授業風景の様子。授業の導入や組立、まとめ等を現役の学生がやる形式だった。まずは大分市在住の指原莉乃ファンの植田謙一氏による「さしこ力とは何か?」という基調講演が15分程度行われた。

秋元康氏によるオフィシャル定義や、秋元氏が語る指原莉乃の魅力を引用しながら、地元テレビで放送された9歳の女の子のインタヴューに注目する。さっしーの好きなところという質問に対して、その答えは「大分を思う気持ちと、自信がないけど、がんばるところ」であった。
9歳だからこそ、短くとも本質を絶妙に言い当てている発言だと主張する。

自分に自信が持てないときによくありがちなのが、
①自己肯定感が低い→「自分は何をやってもダメだ」と思う→本当の気持ちを諦める。
②低い自己肯定感を改造しようとする→無理やり頑張る→根拠のない自信を振り回してしまう
このようなパターンに対して、「さしこ力」が役立つ。
低い自己肯定感を逆手に取り、「だからがんばる」or「それでもがんばる」そうしたときに、普通の頑張りがすごい頑張りに見える。おトクで効果的なのだという。大まかに言うとこのような話だった。

次に府内高校校長・財前和俊氏のお話。府内高校は通信制で、不登校が多かったり学力に不安があったりする生徒が多い。その多くの理由はネガティブなものだ。そんな生徒と日々接する中で、地道な努力を欠かさない生徒は夢を叶えたり、大手企業の敏腕営業マンになっていたりする。そういう生徒は「さしこ的」なのだという。チャンスは生かすか生かさないかで、しかもそんなに多く転がっているものではないというお話だった。

大分市観光課主任の木村友宏氏は、指原莉乃大分市観光大使に決まってからの観光課がバタバタした日々の話や、大分についてからの指原さんは移動中は疲れてほとんど寝ていたという話や、インタヴューで大分市の名物はと聞かれて、一言目にお隣別府市の「別府温泉」を挙げてしまう指原さんの大チョンボ等をお話されていた。それでも許されてしまうところが彼女の魅力なのだろうということでした。

さらに本大学の地域活動室の吉賀夕子氏の話や「それでも好きだよ」のPVを上映したり、王子中学校の同級生で、本学の2年生の学生のインタヴューを流したりした。そのあとに質疑応答。

ここでこの授業を発案した下川正晴教授に予め振られていた通り、3分ほどお話させていただいた。
ぼくはただの一ファンでしかないので大したことは言える立場ではないので、簡単な自己紹介と指原さんとの出会いのエピソードを話した。指原さんはまだAKBの研究生に加入する前、ぼくと話した時に「福岡から来た」と言った。これはものすごく重要なエピソードで、まずは指原さんの謙虚で控えめな性格を表しているということ。そして当時の、また現在の大分の状況を端的に表しているということだ。

大分というのは今回初めて訪れてわかったのだが、確かに観光地としては弱い。自然は豊かだが何が有名かと言われれば温泉(別府・湯布院等)くらいだろう。大分出身者にとって「大分ってどこ?」等と聞かれるのは若干めんどくさいという気持ちがある。これはぼくが岐阜県出身だからわかるのだ。めんどくさいから「名古屋(愛知)の隣」と言う。そう言う意味で大分と岐阜は似ている。ぼくが指原さんに惹かれるのはそう言う意味もあるのかもしれない。

それはさて置き、そんな状況の中で、大分を盛り上げるべく指原莉乃さんに白羽の矢が立った。これはものすごく重要で歴史的な出来事であるし、そういう存在が出てきたことは大分県民にとっては誇るべきことだろう。さらには今回主題になった「さしこ力」は不況で希望が持てないという現代を生きる若者にこそ必要な概念なのだ。そう言う意味で、大分で、また現役の大学生に対してこのような授業が行われることはものすごく意味のあることだと思う。そういうようなことをお話した。お話したかったけど緊張して変な感じになってしまった。まあそういうことです。

この授業は全国でおこなわれるべきものだと思う。