ちろうのレイブル日記

本当によい教育を考えるためのブログです

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」を働いていないレイブルが読んだ

木暮太一著「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」を読んだ。

タイトルの勝ちと言ってしまえばそれまでだが、著者の講演動画等も見て(常見陽平氏と中川淳一郎氏としゃべってるユーストがあった)、これは必読であろうと思った。

資本論」と「金持ち父さん貧乏父さん」に感銘を受けたという著者が、日本の会社における給与体系を解説。「なぜ働いても働いても金がたまらないのか(しんどいのか)」、「なぜ給料は年功序列で、横並びなのか。なぜ成果を上げている自分と、大して仕事のできない同僚の給料が同じなのか」といったような疑問の回答を丁寧に解説している。

まずは「使用価値」と「価値」を明確に区別しなければならないという話から始まり(この違いについては本書を読んでね)、人間の労働力とは「明日も同じ仕事をするために必要なものの価値の合計」である指摘が目からウロコだった。それは住む場所(家賃)だったり、服だったり、日々の食事だったり、たまに行く飲み会の費用だったり。それが毎月の給料で、逆に言えば日々の生活で使う分しかもらっていないのでお金がたまらないのは当たり前。あとは会社が利益を上げるのは人が生み出す「剰余価値」によってのみなんだって。つまり、労働者が(残業したり効率をあげたりして)より多くの価値を生み出して、その価値を搾取することによってしか会社は利益を上げられないという話も面白かったな。

するとどんな企業も少なからず「ブラック企業」にならざるを得ないということなんだけど、この話を聞いて「会社=悪」とか「搾取されてたまるか」という話になったら日本社会が立ち行かなくなるのでそれは違うと。「資本論」も「金持ち父さん貧乏父さん」もじつは同じ話をしているのだと著者は言う。そして、「資本論」では「労働者よ、革命を起こせ!」というメッセージを与えていて、「金持ち父さん貧乏父さん」では「投資せよ!」だった。しかしどちらも一般的な労働者にはハードルが高い(そう簡単に不動産投資とか始められないし)。

その解決策の一つとして、「精神的苦痛を感じない仕事をする」という話。それは必要経費を低くすることになるのでトータルで利益を上げられる。そして、将来的に自分のためになるような、土台を積み上げるようなイメージで仕事をすると良いということだった。また、変化の遅い業界に就職するのもひとつの方法だという(変化の早い業界では、せっかく覚えたことが無駄になりやすい)。

まあ自己啓発本的な結論ではあるけれども、新しい考え方を導入するという意味でやっぱりこういう本の存在は大切だなと思った。ぼくはこの本から、「弱音を吐くな、文句を言ってもしょうがない」といったようなメッセージを読み取った。まあそれはぼくが常々そう考えているからなんだけれど、今の日本の企業で働いていたらしんどいのは当たり前なので、文句を言っても仕方がない。酒を飲みながら会社や上司の悪口を言うとか、世の中に対する愚痴を言うとか。そういうことをしている暇があったら自分はどうするべきか考えなければいけないよねということ。今の世の中にはクソみたいなことしかないのだけれど(教育の問題とか原発とか生活保護の問題とかetc)、それは自分が今くすぶっている原因ではないよね。だからぼくは絶対に周りに原因を求めるようなことはしないように気を付けている。なにせぼくはレイブルですからね。今がクソだとしたらそれはただ咲いてないだけで、それはどう転んでも自分に原因があって、自分の力でなんとかするしかなくて、まあそんなことを考えています。

レイブルってやっぱり人に言われる言葉じゃなくて自分で宣言するものですしね。このエントリのタイトルに「働いてないレイブル」と書きましたけどそれは一種の煽りで実はちがいますからね。厳密に言うとこの世に働いてない人などいないですからね。ぼくが思うに、やっぱりこの世には「勝ち組」と「負け組」がいて、成功した人が勝ちで成功しなかった人が負けだとは思うのですが、その勝ったか負けたかの答えってそう簡単には出ないものだと思うのですよね。死ぬときに初めて答えが出るのではないでしょうか。そして、死ぬときにまで結果が出なければそれはそれでもう死んでるんだし別によくない?みたいな。これは「負けても素晴らしい人生」という話でもなくて、「ただひたすらに勝ちを求め続ける」ことが重要なのだということです。それがレイブルなのです。というわけで、この本をレイブルのための必読書の一つに選定いたします。

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか? (星海社新書)

いや、ニートの伝道師のpha氏が現在本を執筆中らしくて、その中でニートのための必読書のコーナーを作ると言っていたので(というかニートが執筆中ってもはや矛盾してるだろ的なツッコミはおいといて)、ぼくもレイブルのための必読書のリストを作っていこうかなあと思いました。pha氏のそれときっとかぶると思いますがww

軽くざっと挙げると。。。

「僕たちはいつまでこんな働き方を続けるのか?」木暮太一著
「独立国家のつくりかた」坂口恭平

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

独立国家のつくりかた (講談社現代新書)

「貧乏人の逆襲 タダで生きる方法」松本哉
貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法

貧乏人の逆襲!―タダで生きる方法

「減速して生きる ダウンシフターズ」高坂勝著
減速して生きる―ダウンシフターズ

減速して生きる―ダウンシフターズ

ああニートが好みそうなラインナップだな。。。まあでも類書をたくさん読んでその中でもかなり感銘を受けた本であることは間違いないです。レイブルには必読です。