2019年10月13日(日) 14:00~18:00
東京大学国際学術総合研究棟第5教室
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「新共通テストの2020年度からの実施をとめよう 10.13緊急シンポジウム」に行ってきた。
僕思うんだけど、学習塾界隈とか、国語教育界隈とか、予備校界隈とかTwitterでウォッチしているんだけど、みんな同じモードで同じ意見で足並みそろえて、同じように現状を非難して同じ人(具体的には新井紀子氏とか)を嫌わないといけないのだろうか。
こうやって新共通テストの不備を共有しあって、周知するためのシンポジウムを行うのは良いと思う。でもいつも標的とやり口が一緒で、オーディエンスも妙に意識高い人ばっかりいてキモチワルさが否めない。
■個人的な意見
・記述式の導入は悪くないけど、どうやって採点するかが解決していないよね。二次試験では記述問題は出題されているのであり、利便性を考えても共通一次試験はマーク式だけで良いんじゃねえ?と思う。
・民間の英語の試験を大学入試に使うというのは、何かよく分からないからイヤだ。高校生や高校の先生に周知がほとんどできていないのは問題だ。
・阿部公彦先生の「英語の4技能ってのは理想なだけで、実際は全部中途半端、0.5×4になってるだけじゃないか。むしろ4技能を分断するという誤った考えを生む」という指摘はうまいと思った。まあ英語にしても国語にしても、学習指導要領というか文部科学省というか教科書というか学校の先生というか、本質からズレているのが定番なんですけどね。
読む、聞く、書く、話す、なんていうのはそれぞれ分けて考えるものじゃない。それぞれ多少の訓練は生きてくるかもしれないが、基本的にな連動している。しかも個人によって得手不得手があまりにも落差が大きい。
種類を分けるとしたら、「ふくしま式」の福島先生風に言えば「言い換える力、比べる力、たどる力」である。林修先生風に言えば「類比、対比、因果」である。
■ツッコミ
・第一部の基調講演が一人10分で駆け足になってしまったのは仕方ない。だからかもしれんが指摘が雑。
記述問題を導入したプレテストだって、一生懸命考えて問題作成した人がいたはずである。その人たちは制度上、表には出てこられない。それに関わった人に対する敬意があってもいいだろう。
「数学で太郎と花子が出てきすぎ問題」とか言っていたな。
名前は何でも良いんじゃないの??人物を出したかったわけだ。そこにそんな工夫が必要だというだろう。
どんな名前だったら良かったのか。流星(きらら)もしくは救世主(めしあ)なら良かったか?
「数学の会話形式の部分が、数学の本質ではない。会話部分が読めない生徒が多い」
ええ、それが読めないレベルの生徒は点数につながらない、ということで筋が通っているのでは。共通一次ですし、数学の難関大の1行問題みたいなことである必要はないんじゃない?それこそ本気で正答率2%とかになるよ。
シンプルに「円周率とは何か」とか「△の合同条件を書け」とかなら良いかもしれんが。まあこれだとやっぱりただの暗記(運ゲー)なレベルな気がする。
「物理で力士と中学生が相撲をしていて、2人は動かなかった。手加減していたのか?」とかいうイジリ。それで会場に笑いが起こる。いやいやそれお笑い芸人かサブカル芸能人が阿佐ヶ谷ロフトでやるネタだから。試験問題にツッコミ入れるっていう低俗な笑い。三流のド地下お笑いライブかと思った。東京大学の施設使って、大学教授がマジメな顔してやってんじゃねえよ。とんだ無駄遣い。物理の力学の問題としてはまっとうだと思うけど。
「プレテストの記述問題の正答率が10%未満多数、無回答6割以上。受験生が対応しきれていない」
ですから、それこそただの高校生の力量不足なのでは。自業自得。まあまともな大学受験に適応できる高校生というものがそもそも3割くらいしかいないという現実が露呈しただけなのだとは思いますが。記述になったとたんに手も足も出ないの、まあこの世界に存在する圧倒的な現実ってだけなので、いいんじゃねえ?現実を教えることも教育でしょう。
むろん甘い部分や出題ミスもあっただろう。そのためのプレテストであり、これから修正していくんじゃない?
■オーディエンスの声
最初に「一人3分以内で」とかいうアナウンスがあった時点で嫌な予感。1分かせいぜい2分だろと思ったけど。そうしたら余裕で時間をオーバーして、しゃべる権利もない奴がベラベラベラベラ。中身は何言っているか分からない。止められても話し続ける。ダメだこりゃ。傷舐めあっててもダメなんだって。
「俺は(もう引退世代だけど)大学入試にコミットしているぞー」ってアピールしたい大人が多いということは分かった。
休憩時間に入ったタイミングで退出した。
みんな、がんばろう。